公開日: 2025年10月27日
【ドル円今週の予想(10月27日)】
*予想レンジ:ドル円=150.00円~154.00円
*今週のドル円は、底堅く推移する見通しだが、トランプ大統領の来日で、円安への不満があるかどうか注目される。
今週は、28、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、29、30日に日銀金融政策会合がそれぞれ開催される。市場が利下げをほぼ確実視するのには理由がある。先週末発表された9月消費者物価指数(CPI)が前年より3.0%上昇し予想値の3.1%を下回ったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価安定よりも悪化した雇用市場のために利下げを決定すると予想された。CMEのFEDウォッチによると、10月に政策金利を0.25%引き下げる確率は既に98%に達している。実際にFRBが利下げを決定すれば前月に続き2カ月連続の金利引き下げとなる。市場の関心は12月のFOMCに移るだろう。金融市場の大方は12月も利下げを予想している。
一方、日本銀行は金利を据え置く見込み。高市内閣と日本銀行は量的緩和と財政支出拡大などについて意見の相違があると見られており、日本銀行は今月利上げを見送ると見られている。日銀が拡張財政を容認し難いとの見方が根強い。アベノミクスは深刻なデフレを解消するために金融緩和を行ったが、現在の日本経済はインフレ局面にあり、過度な金融緩和政策はインフレを助長しかねないからだ。日銀が政策金利を現行の0.5%で据え置けば、1月に金利を引き上げてから5回連続の据え置きとなる。ただ、日銀が追加利上げに言及した場合、円買いが強まろう。
今週はトランプ大統領が来日するが、足元で進行する円安への言及があるかどうか警戒されている。トランプ大統領は以前、ドル高に不満を示したことがあり、一部からは1ドル=150円を超えるドル高・円安に対して不満を表明することもあるのではないかと懸念されている。しかし、防衛費や関税問題で米国と協調する姿勢を見せており、今回は為替に関してはスルーするのではないか。日米の金融会合前ということもあり、トランプ政権も考慮すると思われる。また、米政府機関閉鎖の解除も注目される。閉鎖解除となればドル買いが強まろう。
米中首脳会談を前に、米中貿易協議が進展したこともドル買い要因だろう。ベセント米財務長官は26日、マレーシアの首都クアラルンプールで行っていた米中閣僚級協議で「非常に実質的な枠組み」に到達したと明らかにし、トランプ大統領が警告していた中国製品に対する100%追加関税は回避され、中国のレアアース輸出規制が1年延期されることになると述べた。
今週は、28日に日米首脳会談、日米財務相会談、30日には米中首脳会談(韓国)が行われる予定。
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